大晦日、お正月が過ぎ、冬まっただ中。
寒い日が続きます。
毎年冬になると、
「なんで野生の生き物たちはこれだけ寒い中を生き抜くことができるのだろう?」
と素朴な疑問が湧き上がります。
私たちヒトは冬の寒空に屋外で過ごすなんてちょっと耐えられません。
ましてや山だったらおそらく一晩だって生きていられないでしょう。
犬だったら屋外でも大丈夫なはずですが、うちのポンタと楓は生まれてこのかた室内だけで育ってきましたから、
冬の寒さはこたえるようで昨年の11月の寒くなり始めの頃楓がおなかの調子を崩してしまいました。
楓はもともと少食でドライフードだけだと半分も食べない子です。
あまりわがままを聞いてもいけないと思いドライフードだけを与え続けていたのですが、一度大人になった体が再び痩せ始め、
調子を崩したころはだいぶ痩せていたのでした。あれだけ痩せていると寒さに耐えられないのですね………
楓は食べ方にムラがあるだけでなく、ときどきおなかがゆるくなることもあって、けっこう苦労しました。
いろいろ工夫をしてみましたが、楓の場合はフードの種類によって便の調子が違いました。幸い療法食の類がいろいろと試せる環境にあったので、どれが合うかを見てみました。
ロイヤルカナン社のベッツプランというシリーズのフードはとても便の状態が落ち着くだけでなく、便の臭いも少なく楓にはあっているようです。それに、好き嫌いの激しい楓もベッツプランのフードなら食べるということで、以後楓にあったご飯として重宝しています。
ベッツプランというシリーズは病院でないと買えませんが、いわゆる病院食ではありません。あくまでも普通食として使うものですが、様々な体質の悩みなどを抱えてる子にあった内容をバラエティ豊富にそろえてあります。避妊手術、去勢手術を受けた後、太りやすくなるなどの体質の変化に対応したフード、皮膚が痒くなりがちな子に対応したフード、高齢になってきた子に対応したフード、おなかの調子を崩しやすい子に対応したフード、いろいろです。
楓にはこのご飯が良いみたい!
一方ポンタくん、なんでも食べます。手がかかりません。仔犬の頃は何を教えても飲み込みが悪く、甘えん坊で、教えてもできないし、すぐにいじけるし、ほめてあげたくてもほめる場面がないという絵に描いたような駄犬かと思われました。が、大人になるにつれて、 ポンタみたいな子だとベッツプランのフードのありがたみがあまりわかりません。だって何食べても変化が感じられないのですから。 ポンタと楓の食事の時、ちょっとしたルールがあります。まだ仔犬だったころの話。少食の楓は食べるスピードが遅く、いつもポンタくんが先に食べ終わってしまいます。するとポンタくんはまだ物足りずに楓のお皿をのぞきに行くのでした。そこでポンタくんと楓のにらみ合い、うなり声が始まるのです。本当に仲良しの二匹なのに食べ物が絡むと笑ってしまうくらいに本気なのです。しかし、そこは柴犬。あまりいさかいの種を放置しておくと思いがけずとんでもない大喧嘩に発展してしまいかねません。かといって激しくしかってもうまくいかないのかな?と思い、「こ~ら~!」とジワ~!と威圧するように睨みつけてみたのです。だいたい人の目を見て気にするのはポンタくんの方で、「あ…怒ってる….」と察するようにクレートの中に入ってしまいました。楓はそんな都合の悪い場面に遭遇するとどこを見てるのかわからないような、魂の抜けたような顔でボヤーっと立ち尽くすのでした。 そんなことが何度かあった後に、ある日を境にポンタくんはご飯を食べ終わると、自らクレートに潜り込み、楓が食べ終わるのをじ~っと待つようになったのです。まるで自ら争いごとを避けるように。ポンタは楓とケンカがしたくないのでしょう。でも、目の前にご飯があると、自分の意志とは関係なしにケンカスイッチが勝手に入ってしまう。だったらご飯をみなければいいんだ!ポンタなりにそう考えてこんな習慣がついたように思えなくもない….それとも、きつく叱りすぎたかな?いやいや、それは気をつけてたんだけどなぁ。 |
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ポンタくんはとにかく争いごとになりそうだなと感じると自らクレートに引っ込んで争いの種が消えるのを
じっと待つことを知っています。
ふたりにガムを与える時もそうです。二匹に一本ずつ与えるのですが、必ず楓が二本とも独占したがるのです。仔犬の頃はよく取り合いになってケンカをしていたのですが、最近はガムをあげるとポンタは受け取ろうとせず、私の眼をじーっと見ながらクレートに入ってゆきます。そして楓は二本とも抱え込むのです。でも二本抱え込んだって一度にかじれるのは一本だけ。その一本に夢中になってしまえば、もうあとの一本のことなんてどうでも良くなってしまいます。ポンタくんはその頃合いを見計らってクレートから出てくると、放ってある一本をひょいとくわえてかじりだすのです。
ポンタくんは教えられたことを覚えるのはあまり上手ではありません。
でも、自分が今どう振る舞うべきかを気にしながら暮らしているように感じます。
最近この二匹を見ているとつくづく
「犬と人はたいして変わらないんだなぁっ」
て思うのでした。
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