雪がとけて川になって流れてゆきます
つくしの子が恥ずかしげに顔をだします
今年の冬は雪国かと思うほどに雪が舞い積もり、素敵な景色を見せてくれると同時に私たちの生活を重く圧迫し、少なからず被害をこうむった方もいたことと存じます。かく言うこちらも通勤の足を奪われ休診を余儀なくされること数回。しかし自然のことだと、もう仕方がないと諦めるよりしょうがありません。
雪は動物達にも容赦なく降り積もり、中には生き抜くことができない野良猫などもあったのではないでしょうか。自然は情け容赦なく四季を巡り、その変化に対応すべく生き物は生きる術を身に着け進化しているのです。
当院の駐車場スペースにはメダカ池がありますが、これまた雪にすっぽりと埋まりメダカの安否どころか、池がどこにあるのだかすらわからない程に。
(看板の下あたりに池があるのだが……)
雪はすべてを覆い尽くしますが、その雪の下では人の眼には触れることのない生き物の世界があるのでしょう。池の水面は凍り、その上に雪は降り積もりますが、氷の下ではメダカたちが積もった枯葉の下に隠れ、やがて来る春を身じろぎもせずじぃっと待ち続けます。今年の雪は結局半月にわたり池を覆い続けました。やがて雪がとけて、凍った水面が姿を現すと「あと少しだからなぁ」と応援したくなります。
あと少し!もうすぐ春です!
梅が咲き、桜もそろそろ終わり、本格的な陽気になってくると、小さなメダカ池も春めいた景色になってきました。
冬の間に枯れ果てた風知草や、水トクサが新しく生えてきます。メダカも無事でした。タニシものそのそと這い回り無事に
冬を越しました。
ほんのちょっとの緑が不思議なくらい景色を明るくしてくれるものですね。
ほらぁ、こんなに太っちゃってぇ…という話
さて、少し前にご紹介しました居候猫のしろくろ君の話です。
うちに来た当初、体に障害が残る不憫な猫だったしろくろですが、自分でおしっこができるようになると状況は一変。はじめのうちはきちんとトイレにおしっこをするお行儀のよいしろくろでしたが、いつまでも入院犬舎に閉じ込められる日々に嫌気がさしたのか、ある時を境にトイレの習慣が乱れ始めます。毎朝毎朝トイレからはみ出しておしっこ、うんちをし、しろくろ自身もおしっこまみれになるのでとてもかわいそうです。でも、自分で率先してトイレをひっくり返したりしてぐちゃぐちゃにしてしまうのでこちらはお手上げ……
「きっと一日中閉じ込められてつまらないんだろうなぁ」
それはわかっているんです。でも、自由にさせたら何をするかわからない。
で、いろいろ考えました。スタッフがしろくろの部屋に段ボールのおうちを入れてくれました。でも、しろくろはそれをおうちとは思わず、かじって引っ掻いて壊してしまいます。しかもその段ボールクズと猫砂とおしっこで部屋は更にぐちゃぐちゃになっていきます。まだ若いであろうしろくろがこんな退屈を我慢できるわけもありません。
しかたないか、環境が良くないんだよな。どうしたら……
もう仕方がありません、しろくろを院内で自由にしてみることにしました。
これはけっこう気を遣います。薬をいたずらされたりしても困ります。
でも、見ていられる時は出してあげることにしました。しろくろのお部屋にはスタッフが小さなマットなどの敷物を入れてくれました。そしたら、どうでしょう!
しろくろのトイレひっくり返し攻撃がピタリとやみ、きちんと砂でうんちやしっこをするようになりました。
自由にしてもらったしろくろはポンタや楓のいいおもちゃになりました。しろくろも犬達にもてあそばれるのがまんざら嫌でもなさそうです。いたずらはしますが、一番やってはいけないことだけさせないようにすればあとは良しにしました。
自由を得たしろくろはだんだんに落ち着きを取り戻しました。今は自由時間にしろくろ用にあつらえたマットでのんびり寝そべっています。
さて、この子、とんでもない食いしん坊です。あまり自由のない生活で、食べることくらいしか楽しみが無いのか。
とにかく、人の顔を見れば「ご飯くれぇ、ご飯くれぇ」と鳴きます。自由にさせるにしても、ちょっと目を離すと
フードのストック棚に直行。まったく油断も隙もあったものではありません。で、一般のご家庭同様に徐々にご飯を
与える量が増えていき、いつの間にか貫禄のあるおなかに……(-_-;)
(一年程前のしろくろ。野良だったのでスリム) (最近のしろくろ。すっかりお肉がつきまして…)
このままではいかん!そこでしろくろのダイエット作戦を開始したわけです。
病院で処方しているダイエット用のフードをきちんと量を量って食べさせるようにしてみました。毎食食べる量を量って、
一回分ずつラップでくるんで、準備完了!
ダイエット開始時に5,4kgだった体重は果たしてどうなるのでしょうか!?
さぁ、準備完了だ!うまくいくかな!?
ダイエット開始時のしろくろくんは、5,4kg。さてダイエットを開始したしろくろは、ダイエット食であると同時に一回の量もこれまでに比べると減らされたので、ご飯の時は今まで以上にとびついて食べます。でも、このご飯は粒が大きいので、食べるのは結構時間がかかります。味は美味しいみたいで良く食べてくれます。
ねこのダイエットの大変なところは、空腹になると催促が激しくなったり、いろいろいたずらがひどくなったりするところです。これがダイエットの大きな壁なんですね。これには正直苦労しています。でも、すこし空腹な時間がある方が健康にはいいんです。
あ、今度は壁紙をひっかいてボロボロに………(-_-;)、んー、しろくろのためだ、我慢我慢。まったく親の心子知らずです。
いつまでも若々しく健康なしろくろでいてもらうためにダイエット食を続けること一ヶ月。どうでしょうか、じ~っとしろくろを観察。相変わらずたるんだおなか。走ると左右にポヨンポヨンポヨンポヨンとお肉が揺れます。
「なんか、あまり効果が感じられない体型……」
先日、あまり期待せずにしろくろを体重計に乗せてみました。
「やっぱり動かないといくらダイエットしてもなぁ、ちっともやせてる感じしない…
ん!、おおお!」
はい!出ました!
減ってる、減った、減りました!
一ヶ月で300g減量に成功!
300gってけっこうな量です。ステーキ300g食べようと思ったらおなかいっぱいになりますもんね。
まだまだしまりのない体つきですが、少しやせたしろくろはこれまで以上に活発になり、元気になりました。
(その分面倒なことも増えまして、やれやれですが)
しろくろは今もダイエット継続中です。目標体重ははるか遠く4kg。
いつかたどり着くことができるでしょうか。無理な挑戦でしょうか。
でも、私たちはしろくろが適切な体重になることを信じてダイエット管理を続けます。なぜなら、病院がダイエットに失敗してたら
格好悪いから…ではなく、それがしろくろの健康維持に大事だから。
これから、もっとスリムになったしろくろの姿をお届けできることを期待しつつ、しろくろダイエットレポートを終わりとさせていただきます。
Vol.01へ戻る Vol.02へ Vol.03へ Vol.04へ Vol.05へ Vol.06へ Vol.07へ Vol.08へ Vol.09へ Vol.10へ Vol.11へ Vol.12へ Vol.13へ Vol.14へ Vol.15へ Vol.16へ Vol.17へ Vol.18へ Vol.19へ Vol.20へ Vol.22へ Vol.23へ
Vol.24へ Vol.25へ Vol.26へ Vol.27へ Vol.28へ Vol.29へ Vol.30へ Vol.31へ Vol.32へ Vol.33へ
Vol.34へ Vol.35へ
こむかい動物病院ホーム |ごあいさつ |病院案内| 診療内容 |施設案内| 診療時間 | アクセスマップ 青梅市 河辺町 こむかい動物病院 各種予防処置・去勢避妊手術・往診 |