この冬は雪が降らないままに過ぎ、寒さが緩み、日が伸びて、お彼岸が過ぎ、徐々に過ごしやすい陽気になってきました。
ここのところ、入院患者さんの看護で病院に泊まり込みでいることが多く外の世界と接することなく3月を過ごしていたら、いつの間にか季節は春本番に突入しました。
河辺にも燕たちが戻ってきました。鳶もこころなしか浮かれた声で鳴いてるように聞こえます。
土筆が顔をのぞかせ、川に釣り人が集まり、土手には桜が彩りを添えます。
先日、久しぶりに病院に泊まり込みの日々がおわり、我が家の柴犬ポンタと楓を連れて桜のきれいな河原にお散歩に行きました。暖かい日差しと新緑や桃色、淡い桜色、青空に彩られた河原は日々のストレスを忘れさせてくれる楽園です。
川っぺりにのびるが植わっているのを見つけて、ほじくり返してみました。簡単に根っこが抜けることもあれば、えらく深くまで根を張っているものもあって・・・根が深いのは、葉がのびるに見えたけどのびるじゃなかったのかもしれませんね。で、結局数株ののびるを持って帰り、夜のビールのお伴にしました。ピリッと辛くビールが進みます。
我が家の猫たちの話 新興勢力の台頭
さて、少し前の病院通信で我が家の猫、おーちゃんとわるたろう話を書きました。ちっちゃくて警戒心のまるでないおーちゃん、
大きくてチーターのような体つきのわるたろう。二匹が取っ組み合いをすればわるたろうが強いのは誰が見ても明白。それでも
いつも喧嘩をふっかけるのはおーちゃんの方。この微笑ましいライバル関係の均衡が新たな猫たちの加入により大きく変わったのです。
私が結婚をした時に、妻が連れてきた猫二匹、てんてんとレオが我が家に新風を吹き込んだのです。
二匹しかいなかった時には強いわるたろう、弱いおーちゃんという単純な関係性しかなかった我が家の猫社会がこの二匹の加入で俄然
複雑な関係性へと発展していくのです。
(年長だが弱虫のてんてん(左)と、最年少にして一番ふてぶてしい白黒のレオ(右))
こちらはまだ我が家に加入する前のてんてんとレオの貴重なツーショット。貴重、と言いますのもこの二匹はあまり仲が良くなかった
ようです。てんてんは小さくてとても神経質。レオにちょっかいを出されるのをとても嫌い、人に相手にされるのも怖がりどこかへ隠
れてしまうような子だったのです。一方レオは、もとはと言えば体に紐を巻き付けられ、そのせいで脇の下がパックリと割れた状態で
保護された苦労人。つらい過去を背負っているせいか、その表情は時にやさぐれ者のそれに見えます。こちらはこちらで、強くて無神
経なレオ、臆病で弱いてんてんという単純明快な関係性が展開されていたのです。
この2組のペアが一緒に生活を始めたのです。どうなったでしょう。
きっとレオは威張り散らし、その対抗馬はわるたろうに違いありません。どちらが強いのか?ちょっと予測が付きません。弱いくせに
ふっかけるおーちゃんはもしかするとレオの餌食になってしまうかもしれません。心配なのは臆病なてんてんでした。はたしてこの子
に居場所はあるのでしょうか?
一緒に暮らす前、妻はとにかくてんてんの事を心配していました・・・・・・
戦国時代
室町時代、将軍家足利氏の支配力に陰りが見え始めると各地の有力者達が勝手にその領土を拡大するべく戦をし始めました。戦国時代の到来です。敵の敵は味方、昨日の味方が今日は敵、嫌いだが利害が一致するなら味方、味方したいが味方してると自分が危ないから裏切る、まったく油断のならない時代です。
で、てんてん、レオ、おーちゃん、わるたろうの4匹はある日突然そんな戦乱の時代に放り込まれたのです。今までの単純な分かりやすい時代は終わったのです。この同居はかなりなチャレンジでした。うまくいかない可能性もかなり高かったのです。
(↑臆病だが仕草が個性的でかわいいてんてん) (空気読まない、食べるの大好き、レオです↑)
(↑大きいし強いのだが割と控えめ、わるたろう) (一応リーダー、おーちゃんです↑)
さぁ、いざ共同生活のスタートです。誰と誰がいさかいを始めるのか?緊張のあまり隠れて出てこなくなるのは誰か?・・・・・・?
あれ?意外と何も起こりません。当然はじめのうちは他人行儀な日々がしばらく続きました。でも、懸念していたトラブルは何も起き
ません。
不思議な利害の不一致 という話
あっさりとスムーズに共同生活がスタートしたのにはどうもお互いのペアのリーダーの性格に理由があったようです。おーちゃんの
あっけらかんとした警戒心ゼロなキャラクターと、食べること以外これと言って関心が無いレオ。お互いにあまり縄張りにこだわら
ないところが幸いしたようです。
てんてんは一緒に住むようになる以前はレオが近寄ってくるだけでその威圧感のある態度に怯えていたらしいのですが、おーちゃんの
非力なくせに無邪気に誰にでもつっかかっていく明るさにどうも心を開いてくれたようなんですね。おーちゃん弱いんです。
ただギュウギュウ押し込むだけで決定打が無いんです。防戦一方のてんてんでもどうにかしのげてしまうんです。で、てんてんはだん
だん怖くなくなったようです。また、おーちゃんは相変わらず相手が大きなレオであろうとお構いなしに取っ組み合いを仕掛けては連戦連敗を繰り返しています。レオは今まで同等にじゃれることができる相手がいなかったのですが、今は体格に引けをとらないわるたろうがちょうどいい相手です。重量級の二匹が取っ組み合いをするとちょっとした騒ぎです。満足したレオはもはや体格差のありすぎるてんてんを相手にしようとしなくなりました。時々わるたろうとてんてんという無茶な組み合わせの取っ組み合いが起こり一時騒然とすることもありますが、そこはわるたろうも加減をわきまえているようで、てんてんに大きなトラウマができるに至らないようです。
むしろ荒っぽい遊びにてんてんが少しづつ慣れるための良いリハビリになってるようにも見えます。
そもそも、4匹がみんな関心事が違うようで、大きな二人は食べることと寝ることが好き、小さい二人は甘えたいので妻の取り合いを
したりはしますが、そもそもこの二人の争いは可愛らしいもので見ていて微笑ましくもあるほどです。夜、寝るときに僕たちと一緒に
寝たがるのはわるたろうとてんてん。レオは甘えることにあまり興味がありません。お互いの利害がまったく噛み合わないのです。
かくして、誰がリードするわけでもなく、誰の自己主張が強いわけでもなく、誰が天下を取ったわけでもなく両ペアは統一し、戦乱の
時代は始まる前に幕を閉じたのでした。めでたし、めでたし。
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