さて、最近は忙しくて病院通信を書く時間があまりとれず、逆にこの通信が更新されてる時はだいたい仕事が暇な時なんです。
元来そんなにあくせく働くのが好きではないのですが、そうも言ってられません。
だいたい動物病院が暇な時というのは雨が降っているときです。
雨。
皆さんは雨が嫌いですか?
気分が暗くなる。出かけるのがおっくう。せっかくおしゃれしたのに服がぬれる。傘を持ち歩くのが面倒。電車の中が蒸れて最悪。
僕は雨が好きです。変人ですね。
濡れて大丈夫な格好で傘もささずに雨の中を歩くのが楽しいのです。
ざぁーっと町全体を覆い尽くす雨音、自分の服をたたく雨だれのポツポツという音。このしっとりとした音が聴いていて飽きません。
川向こうの山々の低いところに雲がただよい、幻想的な景色を見せてくれます。
街は人気も少なく、雨水がたまり坂を流れ落ち、木々は生き生きとし、どこにいたのかカタツムリやガマガエルがはいだしてきます。
その、ノソノソと悠長な動きは現代のスピードと効率を重視した環境にはあまりにも順応しづらく、存在すら許されてないように見えます。雨はそんな生き物たちに一時の自由時間を与えてくれているようです。
「さぁ、人間達が家の中でじっとしている間に自由に遊びに行っておいで!」
雨はほんのひと時人間で埋め尽くされた大地をその他大勢の生き物たちに開放しているのです。
当院の駐車場においてあるメダカの鉢の中にタニシがいます。
このうち一匹のタニシ君は大雨が降ると決まって水中から地上へ這い出して、鉢から脱出します
でも、じきに雨がやむと地べたで貝殻の中に引っ込んで動かなくなってしまいます。
大雨の後は地べたに張り付いたタニシ君を鉢に戻してやるのが常なのですが、最近タニシ君が出てこなくなってしまいました。気が付かないうちに遠くへ行ってしまったのかしら?
タニシくん、どこいっちゃったのかなぁ……
雨にまつわるエトセトラ
雨が好き、といって共感してもらえることがなかなかありません。
なんでみんな雨が嫌いなんでしょう。天気が悪いと感覚的に気分がどんよりとするということは生理現象なのかもしれませんね。
じゃぁ、僕はその辺の感覚が鈍いのかしら?
いや、待てよ、子供のころから無意識のうちに「雨は嫌なもの」という風に頭に刷り込まれているということはないかしら?
ドラマの雨のシーン、雨を歌った歌など、普段何気なく接するものの影響ってないのかしら?
たとえばいろいろと雨をモチーフにした歌があります。
八代亜紀さんの「雨の慕情」
あめあめ ふれふれ もっとふれ のメロディーは知らない人がいないほどの大ヒットですが、
この歌も別れた人を鬱々と思い出す様を雨の湿っぽさに乗せて表現した名作です。お世辞にも明るい歌とは言えません。
内山田洋とクールファイブ 「長崎は今日も雨だった」
あぁあぁ~ ながさきぃわぁ~ と感極まる珠玉のさびが秀逸な昭和歌謡の名作。
この歌も惚れた人を探してさまよい歩く長崎の街を雨が暗く演出するのでした。
カーペンターズ 「雨の日と月曜日は」
アメリカンポップスの金字塔カーペンターズの代表作。洋楽好きの方ならよく知っているこの名曲も、雨の日になるとわけもなく憂鬱になってしまう気持ちを歌に表現したもので、歌っていたカレン・カーペンターがその後自殺を遂げてしまうという悲話がこの歌の悲哀をさらに強いものにしてしまうのでした。
僕もあまり若くないので、最近のヒット曲はあまり知らないのですが、思いつくままに今どきのアーティストの雨を題材にした曲の詩を調べても、さすがに昭和のころの湿っぽさはないものの、やはり雨は寂しさ、孤独、涙などを比喩するための使われている歌がほとんど。たまに明るいタッチの歌を見つけることもありますが、「一人だけどさみしくないもんねー」といった、やや開き直った明るさであったり。
ところで、やっと一曲心底明るく雨を歌ってる唄をみつけました。
誰もが知っている童謡 「あめふり」
あーめあーめ ふーれふーれ かぁさんが じゃのめでおーむかえ うれしいなぁ
ぴっちぴち ちゃっぷちゃっぷ らんらんらん
雨が降ると喜んでる僕は感性が子供なのか……?(-_-;)
雨の日は、患者さんがあまりいらっしゃいません。
当院の柴犬、ポンタと楓もすっかり退屈しきっております。
退屈な二匹は居眠りをし始めます。
大人になったポンタと楓は昼間は自分の居場所に潜り込んで寝てばかりいます。部屋に二匹も犬がいるのに一見その気配が全く感じられない時があります。ポンタの寝床は柴犬がやっと一頭入れる程度のキャリーケースです。ポンタは毛布の上に寝るのが一番好きですが、仕事中はその辺に毛布を敷いておくことができません。するといつの間にかキャリーケースに入り込むのです。
ポンタや楓が寝静まってシーンとした部屋の中で時々ポンタが「ぐふぅ~」なんてため息をつくのが聞こえたりします。たしかに雨降りの日はよどんだ空気になるようです。
そのくせ、なにかビニル袋の音がカサコソっとしただけでびっくりするような勢いでかけつけます。今の今まで寝ていたとは思えない素早さです。
眠っていたのに瞬間的にこんなにハイテンションになるなんてことは僕には到底真似ができません。
で、音の正体が食べ物でないとわかると、また寝てしまうのです。
雨の日は退屈ですね。
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